ワインは愛情をもって扱えば、とびきりの美味しさになって応えてくれます。
お気に入りのフランスワインとともに、心地よい豊かな時間をお楽しみください。
ワインは温度によって美味しさが違ってきます。
爽やかさ、キレのよさ、フレッシュさを特徴とした白やロゼ、シャンパンは低い温度の方が美味しく、また軽いタイプの赤(ボージョレー、AOCコート・デュ・ローヌなど)も少し冷やして飲みます。熟成による芳香が特徴の重厚な赤は冷やしてしまうと芳香が損なわれ、渋味、苦味が強く感じられるので、より高めの温度で飲みます。
若いワインはカラフェし、熟成したワインはデカンタシオンをします。
いずれもカラフにワインを移すことなのですが、目的は異なります。
これは若いワイン(7年以下程度)のために行います。
若くてタンニンの強いワインは、カラフに移すと空気に触れる結果、タンニンが柔らかくしなやかになり、アロマもより多く発散されます。時には、上質の白ワインもカラフェすることがあります。一般的には30~45分前に移し替えます。
ワインに空気をより触れさせるように注ぎます。
熟成したワインは、瓶の底や壁面に色素などによる澱が沈殿しています。それがワインに混ざると味が損なわれるので、澱を取り除くためにデカンタシオンします。またその作業によって空気に触れさせ、長い間眠っていた香りに本来の芳香をよみがえらせるのです。長い間眠りについていたワインは繊細です。急激に空気に触れるとワインの見事なバランスが崩れてしまうことがあります。このため熟成したワイン向けのカラフは、空気と触れる表面積が狭くなる形をしています。
澱に注意しながらカラフの内壁に沿ってすべり落ちるように移します。泡が立たないように、またトクトクと音をたてないように、静かにゆっくり注ぎます。終わりに近づいたら、ろうそくの光の上で見て、澱がボトルの首のあたりにきていたら作業を止めます。
決まったルールはありませんが、ワインと料理の風味のバランスが合う目安として、「ワインの色」と「料理の色」を合わせると分かりやすいです。
右は鶏料理を参考に組み合わせた表です。一般的にワインと料理は同調させるとお互いに引き立て合い、美味しくいただけます。
赤ワイン | ダークレッド | ボルドー |
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赤ワインで煮込んだシチューや地鶏の照り焼き | ||
ライトレッド | ブルゴーニュ | |
醤油味やオイスターソースをきかせた中華風 |
ロゼワイン | サーモンピンク(辛口) | タヴェル |
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中華風鶏肉の炒め物、揚げ物など | ||
ロゼ(やや甘口) | アンジュー | |
鶏肉をローストするか、ソテーにしてトマトソースを |
白ワイン | イエロー(風味まろやか) | ムルソー |
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鶏肉に卵をつけてピカタにパン粉をつけてバター焼きにも | ||
グリーン(酸味フレッシュ) | リースリング | |
鶏肉を蒸してサラダ風に仕上げる | ||
ライトグリーン(やさしい甘味とシャープな酸味) | サンセール | |
鶏わさにしてワサビを添える |
ワインは空気に触れると酸化しやすいので、コルク栓をうるおして外部から空気が入らないようにするためです。住まいでは、低温で、乾燥してなく、光や振動の少ない床下などに寝かせておきましょう。
横にすると空気に触れる表面積が大きくなるので、コルクをして立てたまま冷蔵庫で保管します。1~2日は大丈夫です。もっと長く保存したいときは、市販の空気を取り除く器具を使用するか、または残った量に合う容器にワインを満杯にし、ラップして冷蔵庫に入れてください。1週間くらいはもちます。